熱帯魚の飼育記録

主にベタの記録

繁殖ベタの性別コントロールと雌雄同体について考察

・諸注意

※ネット知識のみの素人考えなのでご留意下さい。また、実体験を元にした文章が多々存在しますが、検証回数の無く正当性の低いデータである事を予めご留意下さい。

 参考文献というか分かりやすくベタの雌雄同体について専門的にブログで記載してくれている方がいらっしゃるのですが、了承も得ず私のこんな日記のようなブログに勝手にブログURLを記載するのははばかれるので記載しませんが『ベタ 雌雄同体』で検査すると最上に出て来ます。今回の記事はベタの雌雄同体(雌性同体)について基本的な知識を知っている前提で執筆しているのでお手数ですが事前知識の無い方はまずそちらをご覧になる事をお勧めします。

 

 

・はじめに

 ベタの繁殖をしているとメスの割合が多くて、他の方の繁殖を見ているとなんかオスorメスの偏りが出るシチュエーションが多いな?と気付き、よくよく調べてみるとベタが雌雄同体だという事を初めて知りました。ベタに限らず魚類ってざっくり言うとそもそも魚類の多くは生後は染色体を持たないので雌雄同体が圧倒的に多いらしいですね?面白いです。

 ということは雌性同体である元がメスであるベタは何らかの外的要因を発生させない限りメスが多くなるのでしょうか。

 そんなこんなで、ベタの雌雄同体について考察を交えて書いていきます。

 

 

①自家繁殖したベタに性別の偏りが出る件

 生物には大前提として、フィッシャーの原理のように性比率はおおむね1:1に収束します。

しかしながら、自分のベタ繁殖の経験や他の方の繁殖報告を見聞きすると、どうやらオスまたはメスの偏りが出る場合が多いんですよね。(もちろん、ベタの一回の繁殖だけを切り取って見てしまうと情報が偏るのは当然ではありますが)そこにベタの雌雄同体による後天的に性転換の条件が加わって来るのがまたややこしいんですよね…。染色体を持って産まれる人間のように産まれた時点で性別が確定していればフィッシャーの原理も簡単に当てはまるんですが…

 ベタが後天的に性転換が起こる生物であり、その原理が分かっていない以上、こういった飼育環境の異なる飼育者ごとにベタの性別の偏りが起こるんですよね。

 

 話しを戻してよく言われるのが個別飼育をすると性転換が起こるという現象です。結論から言うと、ここにベタ性別の偏りの要因の一つが詰まっていると思います。専門家ではない素人考察なので私が知らないだけで他の要因も様々あるかとは重々思っていますが、分かりやすく要因として現れやすいのが『個別飼育』にあると考えます。

 

②では、ベタ稚魚は生まれてからどのタイミングで性別が確定するのか?

 ベタが生後どのタイミングで性別確定するのかは調べてみても情報が得られませんでした。

しかしながら、ベタ稚魚育成の実体験として稚魚育成をしていく中で明らかに稚魚がオスになった瞬間(時期)があったのは確かです。

飼育環境や成長速度によって性別確定に差異が出ますが早くてもおおむね生後1〜1.5ヶ月までの稚魚期の間で性別確定するような気がします。

 あくまで実体験の情報ですが、稚魚であってもよく目を凝らして確認すると産卵管のような突起が僅かに確認でき、メスにも思えたその個体はのちにオスとしてヒレが伸びた。というケースがあったので早くても稚魚期の段階で性別確定の現象が起こる事は確かです。

 

③成魚の生物学上の性転換はしないが性自認だけ性転換はする説

 ※ベタの性別確定時期が不明である以上、この問いに関しても問い自体が間違いである可能性があります。

 繁殖可能なのに繁殖をしない成魚のメスベタに対して『メスベタのオス化』なんてのはよく耳にしますがこれ自体は今回の趣旨とは異なると思っています。これに関しては、生物学上(身体の構造)自体はメスのままで、性自認(気性や思考)だけオスになる、いわゆるトランスジェンダーだと個人的に捉えています。なのでオス化したメスは身体構造はメスのままなのでオスとして交尾は出来ないという事に繋がるんだと思います。

 以上の事から、個人的な見解としては『ベタは稚魚期の一度しか性転換が起こらずまた、性別確定した以降は性転換は起こらない』と考えています。

 

④以上を踏まえて、稚魚期の性別はコントロールできるのか

 雌性同体であるベタは元々がメスで生まれて来る以上、何らかの外的要因を発生させない限りメスが多くなるというのは分かりました。

 そこで、性転換のよくあるケースとして紹介した『個別飼育をしたら性転換が起こった』というのがまさに性別コントロールの一つの手段だと思います。

 これに繋がる話しで再び実体験になりますが、例を挙げます。

我が家ではベタ稚魚を小頭飼育(10匹程)と多頭飼育(約50匹)で行なっていたのですが、小頭飼育の稚魚の方からは約半数の稚魚がオスになり、対して多頭飼育の方はそもそも成長が遅くオスと呼べる個体はかなり少ない。という結果になりました。

 以上の事から分かるように『個別飼育(小頭飼育)をする事によりオス化が促進される』と言っても過言ではないと思います。よって個別飼育の方法を取る事で多少なりともベタの性別コントロールは可能だと言えます。

 

 一般的に熱帯魚は多頭飼育(過密飼育)の環境下だと稚魚の成長速度が遅くなる(止まる)とされており、ベタも例外ではないです。多頭飼育によりベタの性別確定の時期が遅れたり、不具合が出る可能性ももしかすると起こり得ます。以上を踏まえ考えるならば、ベタの性別の偏りを抑えたい場合は多頭飼育は控えるべきであり、小頭数の個別飼育にする方が無難な飼育が出来ると言えます。

また、『多頭飼育していたベタを個別飼育に変更したら性転換した』なんて話しも聞きますが、これも上記に当てはまる気がしていて、多頭飼育により性転換のタイミングが抑制されていた中で、いきなり個別飼育に切り替えた事で抑制されていた性転換が発現した。パターンになる気がします。

 

これが単独飼育になるとどうなるのか、もしかすると雌雄どちらかに偏るのか、どうかは分かりません。ですが少なくとも、小頭飼育をし稚魚同士の適度な刺激がある事によってオス化(性別確定)が起こる。というのはかなり正しいと思います。

 

よって、

・オスを増やしたい場合は2〜10匹程で小頭飼育

・メスを増やしたい場合は多頭飼育(厳密に何匹以上であればメスが増えるかは不明ではある)

というような感じが私が一番お伝えしたかったことの大部分になります。

しかしながらベタは多頭飼育厳禁(オスは駄目だがメスは大丈夫)とされているので注意は必要です。多頭飼育をするならば攻撃性の強いオス個体が出現したらその都度そのオスを個別飼育する必要はあります。

 

 

・まとめ

 本当に極々少量ではありますがベタ繁殖における性別の偏りを減らす事に繋がる可能性はあるなと思い今回このような記事を書きました。

 ベタの雌雄同体・性転換については明らかになっていないらしく、水質や水温の環境だとか遺伝だとか、他にも様々な要因があるようです。今回の私の実体験を元にしたような簡単な考察が出来たように、ベタや魚類を研究している専門家が居るのならばこの程度の研究結果はすぐに出るでしょうしそれこそもう実際どっかの論文とかに出てそうではあります。

 魚の雌雄同体について全く知らなくて調べているととても面白かったので、なんかもっと早く学生時代にこういうのに興味を持てていたら良かったのになぁなんて思ってしまいました()