熱帯魚の飼育記録

主にベタの記録

#10 ベタ稚魚飼育記録(孵化後6ヶ月)最終回

 

 経過報告 オス4.5cm、メス3.5cm 

計ってみたところ前回と比べ1〜2ミリくらいは若干大きくなっていそうでしたがこれ以上は正確に計れないので先月と体長の変化は無しとします。先月まではひと月で最低でも0.5㎝は成長していたのですが、生後半年が経ちようやく体長の成長は止まった可能性があります。

 

①オス

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 尾ビレ付近の体高や肉付きも付いてきた。ボディラインが長方形に近づいてきて成魚っぽさがより出てきてもう成魚と言っても差し支えないと思います。

※親の参考写真

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とはいえ、この体高に迫力のある親と見比べると分かりますが、まだもう少しは大きくなって欲しいですしまだ育つ伸び代はあると思います。随分前からですがヒレの長さだけは親のように立派に育ってるので、あとは今後飼い込んでいって気長に身体を大きくしていくだけでしょう。

 

②メス
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 メスの方も肉付きが良くなってます。また、定かではないですが抱卵しているかのように腹部が膨れてます。

とはいえいまだに尾ビレ付近の体高が出ずベタ特有のボディラインが物足りず、なんというかメダカっぽさが抜けなくて成魚と言うにはまだ納得いかないんですよね…

 抱卵してるっぽいですし肉付きも悪くないので繁殖は一応可能そうですがまだまだメスも成長の余地はあると思います。ですが、メス親個体がそもそも小柄だったのでこの子ども達のMAXサイズや体格がこの程度の可能もなくは無いです…

 

 

・その他

 卵から始めたこの飼育記録ですが、ベタの成長が止まった事でひとまず終了って感じです。元はといえば、難しいベタ稚魚の飼育過程や方法を中心に、一つのサンプルとして記録できたらなと思っていたのでその目的はとっくに達成できたと思います。

 

 ベタ稚魚飼育全体を通して一番感じたことは、『いかにして個体選別を行うか』って事ですかね。雌雄判別のし難い稚魚期にオス個体選別をして個別飼育する必要があったり、そうでなくても50〜100以上の稚魚を1人で飼育するのは不可能に近いので必然的に間引く必要があったり…。また、個体選別をすると言ってもどのタイミングでするのが良いのかはっきり言えず、成長速度次第で任意のタイミングでとしか言えませんし()

難しいと言われる飼育方法うんぬんよりも、単純に飼育環境を整える方が難易度高かったな…という元も子もないどんでん返し食らった印象…

 

 最後になりますが終了と言ってもまだベタの成長の余地が残ってるので今後も投稿が続くかもしれませんが一区切りとします。今後は兄妹同士のF1個体繁殖も良いなと思いつつ、気に入った別の個体を購入して繁殖も良いかな、と気が向けばまた繁殖挑戦してみたいとは思ってます。が、水槽の空きも置くスペースも無いので…()

 

 この飼育記録を一つのサンプルとして誰かの役に立ってくれれば嬉しい限りです。

#9 ベタ稚魚飼育記録(孵化後5ヶ月)

 今回は少々問題が発生しましたがそれは後述しますのでまずは経過報告。

 経過報告 オス4.5cm、メス3〜3.5cm

全長だけ見ればメスはもう既に親個体と同等の長さになりましたが体高がまだまだ足りず全体的に見ると成魚とは言えないサイズ感です。なんというかスケール感が全く足りて無い感じ。

 

①オス

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 安定して過ごして育ってくれてます。ボディラインにまたひとつふくよかさが出てきて、また特にヒレの付け根辺りの太さが出てきた気がする…ようなしないような()

2ヶ月前と見比べると微々たる差だが成長の変化は一応感じ取れる。

 

②メス&オス水槽

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 メス水槽の方で少々問題が発生しました。不調をきたす個体がポツポツと出始めてしまい具体的には、穴空き病(ケンカでかじられた可能性もある)、水カビ病、松かさ病、等の症状が急に現れて来ました。前回水槽内で隔離した白いオス個体も落ちてしまいました…(片方の黒オスパーマ個体は健在)

考えられる要因としては水質悪化とそれに伴うストレス増加でしょうか。ここ最近フィルター周りを色々いじってしまっていたので水質が急激に不安定になったのが一番の要因だと思います。また、個体が成長して大きくなった事で稚魚期から行っていた集団飼育の環境が限界を迎えた可能性もあります。なんにせよここ数ヶ月は集団飼育の環境下でも不具合が出ていなかったので慢心してました…

 

 よってこれを機に、個体選別をして過密飼育だった水槽内の生体数を減らしました。ゆくゆくはF1交配もしてみたいと思っていたので良個体のメスも用意しておきたいですし、そろそろメス飼育にも気を配らないといけない時期だったのでしょう。

個体選別が容易だったオスに比べメスは数が多過ぎる事や体色に目立った差が無い事も相まって今まで個体選別を後回しにしてましたが、いくら集団飼育が可能なメスといえどももう少し早い段階で選別をして小頭数飼育をすべきだったと反省してます…

 

 小頭数飼育と言ってもそれでもまだ水槽内に10〜15匹は居ますが、数を減らした影響かひと月足らずで若干メスがふくよかになった気がします。飼育環境が良化したのは言わずもがな、遊泳スペースも増えたので水槽の広さに適応してカラダも大きくなってくれたのでしょう。

 

 

・その他

 雌雄同体で産まれて来るベタってオスとメスのどちらかに数が偏りがちなので多い方の個体選別って難しいですよね…良個体を残したいと思うとなおさら個体の成長を待って個体選別に時間をかけたくなりますし…

でも個人でブリードを行うと限界があるのでやはり早めに見切りをつけるのが一番重要だと改めて実感しました。

 

 

 また、ここ1〜2ヶ月の飼育記録で感じていたんですが、改めて考えるとやはり成長率が遅いのではないかと考えてます。(ベタ稚魚飼育経験が浅く比較は出来てないのであくまで推測ですが…)

というのも、ベタの繁殖適齢期間って8〜14ヶ月らしいというのを踏まえると、現在生後5ヶ月が経ちそろそろ成魚のサイズに近づいても良い頃合いだと思うんですが中々大きくならないんですよね。早くてもあと3ヶ月ほどで繁殖できるサイズになるかと言われるとちょっと難しそう…なんというか成魚特有の身体の厚みとか体高がまだまだ足りていないんですよね。(とは言いつつ既に大きめのメス個体で腹が膨れてて抱卵してる疑惑のある個体も居るんですが…)

 

 成長の遅い要因として考えられるのはエサでしょうか。過去記事にも書きましたが、我が家のベタのエサはメダカ用のフレークエサが主で、たまに乾燥アカムシという感じです。上記のエサでもベタを生かすだけであれば問題無くとも『ベタの身体を大きくしたい』となるとやはり足りていない栄養素が出てきているのでしょうか…?

現にベタのファームなどではミジンコ等の生き餌を与えているらしいですし、生き餌または最低でもベタ用の人工飼料を与えた方が明らかに発育に良いというのはそらそうよって感じではあります()

 とはいえ、現状まだ発育が止まってしまった訳ではなく1ヶ月単位で成長が見られるので、とりあえずこのまま様子を見てみてあと1〜2ヶ月経っても成長が停滞気味だったらベタ用の人工飼料を検討します。

 

 

#8 ベタ稚魚飼育記録(孵化後4ヶ月)

 経過報告 オス4cm、メス3.1cm

夏が終わり気温が下がってきたのでヒーターを使用し始めたので水温が安定して26℃ほどになった影響も多少はあるのか、前回の成長速度よりも若干成長速度が良くなった気がしないでもない。

 

①オス

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 前回から大きく変わった成長点として、背ビレの先が二股に割れ、尾ビレの先の二股が更に二股に割れ、クラウンテールっぽさが増しました。体高も出てきて全体的なフォルムとしてはもう立派な成魚オスといったところ。ただまだまだ成魚オスと言うには小さいですし、オス親の全長が5〜6cmだったのでもっと大きくなってもらわないと困る。

 

②メス水槽
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 流木を抜いて模様替えしました。また、サテライトのオス2匹をペットボトル×2で隔離して水槽内に引っ越しさせたので今回オスの写真は無いです。

以下、メスの写真

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 特筆すべきことは無いです。水槽の前に立つだけでエサを寄越せと言わんばかりにベタ達が水槽前面に集まってきて団子状態のダンスフロアのようで面白い。つい先日メスが1匹落ちてしまい死体がベタに食べられてて骨だけ水槽に落ちてて驚いた。

 

③番外編 水槽紹介&他生体紹介

 そういえばベタ稚魚飼育報告ばかりでちゃんと水槽紹介とか生体紹介してなかったなってのと別記事を書くにしてはボリュームも無いのでここで書きます。

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 オスベタ単独飼育メインの30cmスリム水槽。水草アヌビアスナナと申し訳程度のアマゾンフロッグピッド。外掛け式フィルターとヒーター設置。以前はスポンジフィルターも付けてましたが無くてもろ過に影響が無かった事と、寝室なので音の出るエアーポンプやエアレーションはあんまり付けたくないのでフィルターの落水でなんとか水面を揺らして酸素供給と油膜が出ないようにしてます。


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 ピンクラムズホーンを導入してみたのでサテライトで増やしてみてます(先住民ベタを立ち退きさせた元凶)というのもラムズホーンを本水槽に入れるとベタにちょっかいかけられてる感じがしました。さすがに食べられてはいないのですがラムズホーンとベタの混泳ってちょっと難しいのかもしれません…(本水槽の先住民の石巻貝は平気なんですが)そもそも水質的に弱酸性を好むベタとアルカリ性を好むラムズホーンの混泳は若干難しいと言われますが水質以前の問題として、ラムズホーンのカタツムリのような身体が殻の外に大きく露出するフォルムがベタの興味を引いてしまっている気がします。

せっかく買ったのに全滅したら悲しいので数が増えるまでは隔離しようかと思ってるけどすぐに爆殖してそれはそれで問題になりそう…()


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 こちらは30cmスリム水槽でオスベタと混泳してるコリドラス3匹。コリドラス用のタブレットエサがベタにも食べられがちで、当然ながら力量差はベタ>コリドラスなので弱い立場。しかしながらベタはちょっかいをかけないので上手く混泳は出来てる感じ。コリタブよりも沈めたフレークエサの方が食い付きが良く複雑な心境()


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 オトシンネグロ×2匹。まだ小さいです。

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 ミナミヌマエビの稚エビ。他水槽にも居ます。ヤマトに比べると苔取り性能は大きく落ちますが目立たないですしほぼ無限に増えるので買い足す必要性が無く良い。

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 ボルネオプレコ。オトシンネグロと共に別記事も書いてますのでよろしければどうぞ。

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 30cmキューブ水槽の水草はマツモ、アナカリスアヌビアスナナ、南米ウィローモス、アマゾンフロッグピッドが入ってます。あと石巻貝

水槽環境は外掛け式フィルターと投げ込み式フィルターとヒーターと温度計。投げ込み式フィルターの中身はウールとろ材を入れてますが高耐久スポンジを買ったのでそのうち変更します。また、ベタ水槽としてはフィルターの水流がやや目立ちますがヒレが短く遊泳力のあるメスベタメイン水槽なので影響は無さそうです。

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 野外ビオトープ。メダカ(ドラゴンブルー)、ミナミヌマエビ、ソイル、アナカリス、南米ウィローモス、アマゾンフロッグピッドが入ってます。室内に置き場所が無かった()ってのと単純にビオトープがやってみたかったので。週に一度のエサと足し水だけで春からずっと飼育してるのでビオトープってラクで良いですね(鑑賞性は皆無だけど)

 

 

以上です。

 

・その他

 ベタの話しに戻りますが、オスベタのヒレが二股に割れてしっかりとクラウンテールの形になったのが嬉しかったですね。

また、変に成長が止まったりせず、いまだにひと月ごとにちゃんと大きくなってくれてるのは良い傾向。このままマックスサイズまで育ってくれる事を願うばかりです。

 

続く

#7 ベタ稚魚飼育記録(孵化後3ヶ月)

 今回も大きな変わり映えは無し。順調に大きくなってます。

全長は♂3.8㎝♀2.8㎝。

 

・オス①

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 30㎝スリム水槽で単独飼育してるだけあってやはり他のオスと比べると成長が良い。

以下、比較画像。

(上から、2ヶ月前、1ヶ月前、今回、の順番)
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こうして並べて見比べると些細な変化も分かりやすいですね。ひと月前からの変化は、ヒレが着実に伸びている事と、ヒレの青色が若干抜けてきた感じ。

 

・オス②と③

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 ただでさえ狭いサテライトで2匹飼育…これからの季節気温が下がって来るのでヒーターのある水槽と繋がってるサテライトじゃないと飼育できないのでお引っ越し。今はまだ身体が小さいのでギリギリ大丈夫そうですがオスはまだまだ大きくなるのでずっとこのままは可哀想ですが、とりあえず今年の冬期はシェアハウスして貰う方針で…

・オス②パーマ君
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 相変わらずヒレのレイ一本一本がねじれて一回転してる癖っ毛。変にヒレが癒着してる訳ではないのでいたって健康です。

・オス③
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 新入りの白い子。ボックス水槽で問題無くメスと混泳させていたがなんとなく抜き出してみた。やはりオスを単独飼育すると混泳させていた以前と比べてヒレが一気に成長した。

 

・メス

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 ボックス水槽の個体達を全て30㎝キューブ水槽に引っ越しました。こちらも気温が下がる前にヒーターのあるキューブ水槽へ移しておきたかったので。

 オスっぽい個体は2匹ほど見かけますがヒレの成長が極めて遅く雌雄判別が困難。一応現状でもメスは産卵管が見えてオスと思われる個体は産卵管が無いように見えますが確実性はまだ無い。

 

 

・その他

 ひと月で0.8㎝ほど全長が伸びたオスだが、身体の成長はもちろんあるがそれよりもヒレの成長の比率が大きいように思える。

対してメスはひと月経ってもほぼ成長が感じられなかった。過密飼育の弊害で成長が阻害されているからなのか…?

 オスメス共に(ヒレを除く)身体の成長速度は下がってきてるように感じる。メス親の全長が3㎝そこそこだったことを考えるとメスはそろそろ横幅の成長が止まって来てもおかしくはない。これからは横よりも体高が大きくなって身体の厚みが増して成魚っぽさが出て来てくれると良いのだが…

 

続く

『苔取り能力』オトシンとプレコを飼育しての感想

 アクアリウムに欠かせない苔取り生体。しかし飼育経験が無いと苔取り生体がどれほどの効果があるのか実際には分からないもの。

 そこで我が家でボルネオプレコとオトシンネグロを実際に飼育しての感想、食べる苔の種類、良い点悪い点などを踏まえて飼育感想を書いていきますので参考にどうぞ。

 

 

・ボルネオプレコ

 ボルネオプレコって厳密にはプレコではなくコイ科らしいですが小型のプレコって事で話しを進めます笑

 サイズは最大で6㎝になるそうです。が、我が家のボルネオプレコは3㎝弱程度しかありません。自分がcharmで購入してから1年以上経ちますが成長が遅くほぼサイズ変わらずなので小型の苔取り生体として長期間活躍してくれてます。

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・食べる苔の種類

 茶ゴケや緑藻がメイン。白い水カビも食べてくれます。黒ヒゲ苔は食べませんでした。

 

・良い点

①想像以上に存在感が目立たない。上記のように最大サイズは大きめですが小さいサイズであれば水槽内でも存在感が出ないので丁度いいです。個人的な所感ですが感覚的には成体のミナミヌマエビと並んでても存在感が馴染んでるなと感じる程度。ヤマトヌマエビを飼育している方であればヤマト以上に存在感があるなとは感じないと思います。

②日中問わずかなり活動的で忙しなく一日中コケを食べ続けてくれるので小型の苔取り生体の中では誇張無しにトップレベルだと思います。具体的には茶ゴケの付いたアヌビアスナナ4株を水槽に入れると一日で綺麗になるくらい。食べられる苔は確実に食べ、素早く広範囲に移動する事も相まって目に見えて実感できる苔取り能力を発揮してくれます。我が家では、他水槽の石に活着させた陰性水草に苔が生え始めたな〜と感じたらボルネオプレコの居る水槽にパッと持って行くだけで一日で綺麗になるので助かってます。

③低床に落ちたエサの掃除もしてくれます。我が家では沈下したフレークエサを積極的に食べてくれるので助かってますし、これによってプレコ専用のエサを与える必要が無いのもまた非常に助かります。

④食べる姿が力強い。ガシガシとかゴシゴシというオノマトペがピッタリな感じで苔を食べる姿が頼もしいです。口が横に広がっている事も相まってひと口ごとに確実に苔を食べてくれる印象。

 

・悪い点

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①物凄くフンの量が多いです。このようにベアタンク水槽だと分かりやすいですが、水替え掃除して半日もしないうちにフンが目立つくらいには酷いです。逆説的に言えばこの大量のフンの量の苔を食べてめちゃくちゃ仕事をくれている証拠と言えるのですが…

 そもそもプレコ系はそのフンの多さからベアタンク水槽での飼育を推奨される事が多いという面があります。

 レイアウト水槽だと低床掃除の頻度が上がりますし、しっかり低床掃除をしていてもどうしてもフンの蓄積が進み水槽リセットの早まりに繋がる可能性もあります。また、化粧砂を使っていると速攻で見た目が悪くなる事も容易に想像つきます。レイアウト水槽の内容によってはあまりにもフンの量が目立つボルネオプレコは不適切になる可能性があるのでかなり注意が必要です。

②ガラス壁の苔取り能力について。自分は当初、ガラス壁にどうしても湧いてくる緑藻が鬱陶しくてガラス壁の苔取り能力をボルネオプレコ含めた苔取り生体に一番期待していたのですが全く効果がありませんでした。

全く効果が無いと言うと語弊がありますね…実際ガラス壁の緑藻を食べてくれてはいますが、ガラス壁の掃除が不要になったり掃除頻度が落ちたりするほど綺麗にはなりませんでした。まぁ自分の綺麗の基準が高過ぎただけですが…

元々あまり水槽掃除をしない方やかなり苔の多い水槽を使用してる方、などの綺麗の基準が低くても構わない方からすれば、ボルネオプレコを導入する事でめちゃくちゃ効果が実感出来るのは確かだと思います。

 

・おすすめの水槽サイズ

 自分は30㎝キューブ水槽で1匹飼育していますが、もちろん飼育は充分出来ますが苔取り能力だけ見ると持て余している感じはあります。60㎝水槽に1匹からが丁度良い気がします。30㎝キューブ水槽ですらかなり多いフンの量が気になるのでそれ以下のサイズの水槽は更に気になるでしょう。

 

オトシンネグロ

 サイズは最大で5㎝。我が家のはまだまだ小さいです。

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・食べる苔の種類

 ボルネオプレコと同じです。

 

・良い点

①細くて小さいので葉が小さな水草や枝の細い流木等の幅広いレイアウトに対して有効です。小さい葉っぱや隙間などの苔はボルネオプレコでは物理的に食べられないのでそういった面では逆に小ささがアドバンテージになっています。

②特に目立つであろう茶ゴケなどを優先的に綺麗にしてくれる。ボルネオプレコと比べると小さいので苔取り能力はどうなのかと思いましたが見劣りせず、想像以上にちゃんと苔取り能力があります。

③フンが目立たない。

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こちらは化粧砂を敷いている水槽のオトシンネグロのフンです。茶色い粒々がフンですがそこそこ量があるもののフンの一つ一つが粒として転がっているので遠目から見れば砂の一部に見えなくもないです。(単色の白砂とかだと目立つとは思いますが)

よくいる苔取り生体のヌマエビやプレコなんかのフンって繋がって細長いフンが多いので余計にフンの存在感が悪目立ちするんですけど、オトシンネグロのフンは粒状なので底砂に同化しやすくて見た目のストレスが少なくて良いと思ってます。

④繁殖が狙える。自分は経験がありませんがオトシンネグロはオトシンクルスとは異なり繁殖が比較的容易だそうです。苔取り生体なんてなんぼ居ても良いですからね。

 

・悪い点

①あまり活動的ではなく静止している場合も多いです。それはイコールで苔を食べる回数が少ない事になるので苔取りスピードが遅いとも言えます。

しかしながら、メリットとも言えますし改善もできます。苔取りスピードが遅いということは必要以上にフンを出さない事に繋がりますし、苔取り能力を上げたいのであれば生体数を増やせばいいだけです。

②沈下した他熱帯魚のエサはほぼ食べない。ボルネオプレコが沈下したエサを積極的に食べるのに対して、オトシンネグロは食べてくれません。

オトシンは基本的に臆病なのと夜行性なので他の熱帯魚に混ざってエサを食べようとしないのが大きいです。

 

・おすすめの水槽サイズ

 小型水槽に1匹からでも充分だと思います。なんだかんだで必要最低限の苔取り能力はあるので水槽サイズに対して生体数少ないかな?と思う数から始めても大丈夫だと思いますし足りなけりゃ増やせば良いだけ。

 

・ボルネオプレコとオトシンネグロ、性能差、どちらがオススメか

 結論から言えば、苔取りのスピードや量の差はあれど、食べる苔の種類も同じで処理能力もさほど差が無いので、最終的にやっている事は同じ苔取り能力であり、性能差はさほど無いかなと感じました。もちろん上記で述べた長所短所がお互い存在するのでケースバイケースで性能差が現れる状況は起こり得ます。

最終的な性能差は無いとはいえ、苔取りスピードや量や力強さなどトータルの性能では当然ボルネオプレコが上です。

 

 では、どちらがオススメかと言われると、無難なのはオトシンネグロかなと。ボルネオプレコはやはりフンが多いのがネックですね…ボルネオプレコはフンの多さが推奨水槽環境を狭めてしまっているので手放しでオススメはし難いです。どんな水槽環境にも導入できるオトシンネグロが無難にオススメと言えます。

 加えて、水槽サイズやレイアウト次第でオススメが変わります。大きな水槽であれば広範囲の苔除去を求めたいので活発で食欲旺盛なボルネオプレコが合っていますし、小さな水槽や細かい水草を植えている水槽であれば小回りがきき存在感の小さいオトシンネグロが合っているでしょう。

 あとは単純な見た目や仕草の好み次第でしょうか。ボルネオプレコはマスコットのような顔と常にちょこちょこと動く様は眺めて楽しむのに向いてますし、オトシンネグロはスマートなカッコよさがありつつ忙しなく動かないので落ち着いた雰囲気の水槽に合います。

 

 

・まとめ

 まず、プレコやオトシンまたは貝などの苔取り生体全体に言えますが、色んなところで言われているような『苔取り生体でガラス壁が綺麗になった!』なんて謳い文句は過度に信用すべきでは無いなと身をもって感じました。

もちろんどの生体も苔取り能力は確実にあるので間違いではないのですが、『苔取り生体を入れたところで、普段から水槽を綺麗に維持してる人間からすると、ガラス壁の掃除が不要になるまたは頻度を減らせる、ようにはならない。』というのはお伝えしたいですし、用途を間違えず過度な期待さえしなければ充分な性能はあります。

また、ボルネオプレコとオトシンネグロどちらもですが、頑固な斑点苔の処理能力は限りなく無いです。実際には食べれているのでしょうが斑点苔が跡形も無く消え去る程ではないです。

 

 自分も飼育する前は実際の苔取り能力が想像が付かなくてどれを飼えば良いのか分からなかったり、実際に飼育してみて短所が初めて分かったり、と様々な情報が足りていませんでした。そんな方にとって今回の記事が少しでも参考になって頂ければ嬉しいです。

 

繁殖ベタの性別コントロールと雌雄同体について考察

・諸注意

※ネット知識のみの素人考えなのでご留意下さい。また、実体験を元にした文章が多々存在しますが、検証回数の無く正当性の低いデータである事を予めご留意下さい。

 参考文献というか分かりやすくベタの雌雄同体について専門的にブログで記載してくれている方がいらっしゃるのですが、了承も得ず私のこんな日記のようなブログに勝手にブログURLを記載するのははばかれるので記載しませんが『ベタ 雌雄同体』で検査すると最上に出て来ます。今回の記事はベタの雌雄同体(雌性同体)について基本的な知識を知っている前提で執筆しているのでお手数ですが事前知識の無い方はまずそちらをご覧になる事をお勧めします。

 

 

・はじめに

 ベタの繁殖をしているとメスの割合が多くて、他の方の繁殖を見ているとなんかオスorメスの偏りが出るシチュエーションが多いな?と気付き、よくよく調べてみるとベタが雌雄同体だという事を初めて知りました。ベタに限らず魚類ってざっくり言うとそもそも魚類の多くは生後は染色体を持たないので雌雄同体が圧倒的に多いらしいですね?面白いです。

 ということは雌性同体である元がメスであるベタは何らかの外的要因を発生させない限りメスが多くなるのでしょうか。

 そんなこんなで、ベタの雌雄同体について考察を交えて書いていきます。

 

 

①自家繁殖したベタに性別の偏りが出る件

 生物には大前提として、フィッシャーの原理のように性比率はおおむね1:1に収束します。

しかしながら、自分のベタ繁殖の経験や他の方の繁殖報告を見聞きすると、どうやらオスまたはメスの偏りが出る場合が多いんですよね。(もちろん、ベタの一回の繁殖だけを切り取って見てしまうと情報が偏るのは当然ではありますが)そこにベタの雌雄同体による後天的に性転換の条件が加わって来るのがまたややこしいんですよね…。染色体を持って産まれる人間のように産まれた時点で性別が確定していればフィッシャーの原理も簡単に当てはまるんですが…

 ベタが後天的に性転換が起こる生物であり、その原理が分かっていない以上、こういった飼育環境の異なる飼育者ごとにベタの性別の偏りが起こるんですよね。

 

 話しを戻してよく言われるのが個別飼育をすると性転換が起こるという現象です。結論から言うと、ここにベタ性別の偏りの要因の一つが詰まっていると思います。専門家ではない素人考察なので私が知らないだけで他の要因も様々あるかとは重々思っていますが、分かりやすく要因として現れやすいのが『個別飼育』にあると考えます。

 

②では、ベタ稚魚は生まれてからどのタイミングで性別が確定するのか?

 ベタが生後どのタイミングで性別確定するのかは調べてみても情報が得られませんでした。

しかしながら、ベタ稚魚育成の実体験として稚魚育成をしていく中で明らかに稚魚がオスになった瞬間(時期)があったのは確かです。

飼育環境や成長速度によって性別確定に差異が出ますが早くてもおおむね生後1〜1.5ヶ月までの稚魚期の間で性別確定するような気がします。

 あくまで実体験の情報ですが、稚魚であってもよく目を凝らして確認すると産卵管のような突起が僅かに確認でき、メスにも思えたその個体はのちにオスとしてヒレが伸びた。というケースがあったので早くても稚魚期の段階で性別確定の現象が起こる事は確かです。

 

③成魚の生物学上の性転換はしないが性自認だけ性転換はする説

 ※ベタの性別確定時期が不明である以上、この問いに関しても問い自体が間違いである可能性があります。

 繁殖可能なのに繁殖をしない成魚のメスベタに対して『メスベタのオス化』なんてのはよく耳にしますがこれ自体は今回の趣旨とは異なると思っています。これに関しては、生物学上(身体の構造)自体はメスのままで、性自認(気性や思考)だけオスになる、いわゆるトランスジェンダーだと個人的に捉えています。なのでオス化したメスは身体構造はメスのままなのでオスとして交尾は出来ないという事に繋がるんだと思います。

 以上の事から、個人的な見解としては『ベタは稚魚期の一度しか性転換が起こらずまた、性別確定した以降は性転換は起こらない』と考えています。

 

④以上を踏まえて、稚魚期の性別はコントロールできるのか

 雌性同体であるベタは元々がメスで生まれて来る以上、何らかの外的要因を発生させない限りメスが多くなるというのは分かりました。

 そこで、性転換のよくあるケースとして紹介した『個別飼育をしたら性転換が起こった』というのがまさに性別コントロールの一つの手段だと思います。

 これに繋がる話しで再び実体験になりますが、例を挙げます。

我が家ではベタ稚魚を小頭飼育(10匹程)と多頭飼育(約50匹)で行なっていたのですが、小頭飼育の稚魚の方からは約半数の稚魚がオスになり、対して多頭飼育の方はそもそも成長が遅くオスと呼べる個体はかなり少ない。という結果になりました。

 以上の事から分かるように『個別飼育(小頭飼育)をする事によりオス化が促進される』と言っても過言ではないと思います。よって個別飼育の方法を取る事で多少なりともベタの性別コントロールは可能だと言えます。

 

 一般的に熱帯魚は多頭飼育(過密飼育)の環境下だと稚魚の成長速度が遅くなる(止まる)とされており、ベタも例外ではないです。多頭飼育によりベタの性別確定の時期が遅れたり、不具合が出る可能性ももしかすると起こり得ます。以上を踏まえ考えるならば、ベタの性別の偏りを抑えたい場合は多頭飼育は控えるべきであり、小頭数の個別飼育にする方が無難な飼育が出来ると言えます。

また、『多頭飼育していたベタを個別飼育に変更したら性転換した』なんて話しも聞きますが、これも上記に当てはまる気がしていて、多頭飼育により性転換のタイミングが抑制されていた中で、いきなり個別飼育に切り替えた事で抑制されていた性転換が発現した。パターンになる気がします。

 

これが単独飼育になるとどうなるのか、もしかすると雌雄どちらかに偏るのか、どうかは分かりません。ですが少なくとも、小頭飼育をし稚魚同士の適度な刺激がある事によってオス化(性別確定)が起こる。というのはかなり正しいと思います。

 

よって、

・オスを増やしたい場合は2〜10匹程で小頭飼育

・メスを増やしたい場合は多頭飼育(厳密に何匹以上であればメスが増えるかは不明ではある)

というような感じが私が一番お伝えしたかったことの大部分になります。

しかしながらベタは多頭飼育厳禁(オスは駄目だがメスは大丈夫)とされているので注意は必要です。多頭飼育をするならば攻撃性の強いオス個体が出現したらその都度そのオスを個別飼育する必要はあります。

 

 

・まとめ

 本当に極々少量ではありますがベタ繁殖における性別の偏りを減らす事に繋がる可能性はあるなと思い今回このような記事を書きました。

 ベタの雌雄同体・性転換については明らかになっていないらしく、水質や水温の環境だとか遺伝だとか、他にも様々な要因があるようです。今回の私の実体験を元にしたような簡単な考察が出来たように、ベタや魚類を研究している専門家が居るのならばこの程度の研究結果はすぐに出るでしょうしそれこそもう実際どっかの論文とかに出てそうではあります。

 魚の雌雄同体について全く知らなくて調べているととても面白かったので、なんかもっと早く学生時代にこういうのに興味を持てていたら良かったのになぁなんて思ってしまいました()

 

 

#6 ベタ稚魚飼育記録(孵化後2ヶ月)

 前回から体色変化もほぼ無く変わった所は体長くらいなので目立った報告はありません。

全長は♂3㎝、♀2.7㎝前後といったところ。なんか成長が遅くなった気がします。今までは『先週よりデカくなったな!?』と毎週はっきりと成長を実感できるほどの成長スピードだったのですが、最近は1週間経っても『大きくなってんのか…?』って感じで定規で測って初めて成長が分かる程度。もう稚魚というより幼魚か若魚って感じなので成長スピードが落ち着いて来たのも当然なんでしょうか…?

 

 

・オス①

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  日に日にヒレが伸びて問題無く育ってます。

 

・オス②
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 前回から数日経ってある日突然ヒレの先がカールし出した。癖っ毛みたいな感じなのでパーマ君と呼びましょう。

毎日フレアリングさせてるのでヒレの運動は問題無いはずですが原因は不明。まぁ病気のようには見えませんし、まだまだ成長するのでヒレに関して心配しなくて大丈夫でしょう。

 

・メス①
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 30㎝キューブに引っ越しました。(オス①個体を30㎝ワイドに移して交換した)特に変わり映え無し。

 

・オス&メス

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 こちらも特に変わり映え無しですがただ、こちらのオスは上記の単独飼育してるオスに比べるとヒレの成長が著しく遅いんですよね。やはり生物の過密飼育は成長を阻害する効果が大きく、身体のみならずヒレの成長も抑制されてしまうのか。または、メス化してしまっているのか。ベタって集団飼育をしているとメスが増える傾向があるのでそういった要因なのでしょう。(ベタのオス化については別記事を書いてますので宜しければどうぞ)

 もう一つ、立ち泳ぎ個体について。過去記事で何回か触れていた立ち泳ぎ個体(ベリースライダー)なんですが、確か合計で10匹ほど?居たんですがここ最近あまり立ち泳ぎ個体を見かけなくなったんですよね。普段はパッと水槽を眺めるだけですぐ立ち泳ぎ個体を発見できたんですがそれがほぼ無くなりました。成長のおかげなのかそれとも完治したのか、分かりませんが立ち泳ぎ個体が減ったのは確かです。『稚魚期に立ち泳ぎ化してしまってもそのまま飼育していれば治る見込みがある』というのが分かっただけでも非常に参考になりました。

 

・その他

 30㎝キューブ水槽の方から1匹だけエロモナス病の疑いがある個体が出て来ました。

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白飛びしてて見にくくて申し訳ないのですが、エラの内側が赤く充血してるっぽいんですよね。ただ厄介なのが、元々の体色が無色透明と赤色が入っている個体なのでただ単にエラ部分が赤い体色なだけなのか、それとも充血してるのか、が判断が付かないんです…(しかし、他の無色個体はエラ部分がここまで赤くないので体色というよりやはり充血してる可能性が高い気がする)

加えてですがエロモナス病と関係あるかは分かりませんが別の症状としてエサを食べた後のみ軽い転覆病になってしまいます。軽い転覆病はベタで割とあるケースらしいですね…?

 なんにせよエロモナス病の原因は様々ありますが、飼育環境的にそこまで目立って悪い部分は無さそうなので決定的な原因は判断できないですがなんらかのストレスでしょう。ボックスで過密飼育している方からではなく余裕のある飼育環境下の30㎝キューブ水槽の方の個体なのでちょっと謎です。

あの赤い充血?がただの模様でエロモナス病ではない可能性はありますが軽い転覆病である事は確かなので塩浴をさせて様子を見たいと思います。